昨日、昼飯をユニオン・スクエア・カフェで取るためにウオール・ストリートから地下鉄に乗った。
現在1日平均推定約450万-700万人くらいの利用があり、駅の数は駅の数は468あるそうだ。
そのときはこんなことになっているとはつい知らず・・・
画像参照元 : REUTERS "New Yorkers return to subway after terror warning"
ニューヨークの厳戒態勢は、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ以来、レベル4「オレンジ」の警戒態勢が取られているが市当局は当面、この「オレンジ」のレベルを維持する模様。
報道を見てみると、ニューヨーク市のブルームバーグ市長が昨日記者会見し、同市の地下鉄へのテロ攻撃の脅威が生じたため、地下鉄を中心とした公共交通機関の警備を強化したと発表したようだ。
国土安全保障省の報道官は「諸情報機関はこのテロ情報を疑わしいとみている」と述べているが、別の報道では拘束されたアルカイダ関係者から得られた情報だと報じている。
疑わしくとも「火の無いところに煙は立たない」わけで、こういうのを聞くと慎重になるに越したことはないだろう。
複数の米メディアが「19のスーツケース爆弾」「19人のテロリスト」が地下鉄を爆破するという情報を流しているが、この数字が意味するところは不明。しかしどんな形であれ、テロの脅威はいつでもどこでもつきまとっているのだ。
ロンドン、バリでのテロが語ったように、世界各地で可能性があるわけだ。当然日本だって安心はしていられないだろう。
だからテロの脅威が高まったとき、単純にその潜在的な標的だけに神経を使うのではなく、包括的な警戒が必要のはず。報道では地下鉄以外も検査対象としているようだが、実際には毎日通勤で使っているバスでは警官どころか、荷物検査も全くない。アシスタントの話ではスタテン島フェリーでも無かったそうだ。なんというか、ツメが甘いようにも見えるが、心配しすぎだろうか。
ケリー市警本部長は具体的な説明を避けつつ、地下鉄にスーツケース、乳母車や荷物を持ち込まないよう協力を呼びかけている。こういうことが繰り返されると人間は慣れてしまって、脅威に対する緊張感が薄れてしまう。自分もニューヨークの生活に慣れてしまって、気を抜くことがよくある。
事が起きて初めてそういった緊張感が高まり警戒するが、過去を忘れるのもまた人間。それが悪循環とならないように意識しておきたい。
そしてこのテロには因果関係があり、アメリカは戦場における非戦闘員の死傷がテロリストたちを煽っていることも忘れてはならないだろう。戦争→報復→戦争のサイクルを打ち破れるような努力がなされているかは疑問に思うところ。
一番危ないのは人間の意識かもしれない。
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また昨日、在NY総領事館からメールが届きました。
これはNYで在留届(何かあったときすぐに身元が分かるようにする届け)を提出し、情報をEメールでもらうようにしておくと届くシステムです。
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在留邦人の皆様へ
2005年10月6日
ニューヨーク市交通機関に対する警備強化について
1.10月6日、午後17時40分、ニューヨーク市ブルンバーグ市長及びレイ・ケリーニューヨーク警察長官は、FBIからの信頼すべき情報として、ニューヨーク地下鉄を対象としたテロの脅威の存在について言及すると共に、これまでの警戒に勝る警備強化を行う旨発表しました。
具体的には、地下鉄駅構内及び車内に制服・私服の警官を増員し、地下鉄の警戒と乗客の所持品等(袋、ブリーフケース、旅行カバン、ベビーカー等)に対する任意検査が実施されることとなります。
ニューヨーク市は本件情報源の調査を治安機関と共同し捜査中の段階であるため、本件警備強化は当面継続される予定としています。
2.なお、ブルンバーグ市長は市民に対し個人個人による警戒を呼びかけるとともに、不審なものを見つけたら官憲に報告するよう要請しており、不必要に検査の対象となるカバン、ベビーカーなどの所持品を地下鉄に持ち込まないよう協力をお願いしたい旨述べています。
3.つきましては、邦人の皆様におかれては、テロ事件や不測の事態に巻き込まれることのないよう、最新の関連情報の入手に努め、地下鉄をはじめとする公共機関を利用する際には十分警戒する、周囲の状況に注意を払うなど安全確保に十分注意を払ってください。